総合職フットボール
カタールW杯の日本代表メンバーが発表された。
そのツイッターでのポジション区分が「GK(ゴールキーパー)」か「FP(フィールドプレーヤー)」の2個になっている。
9月のキリンチャレンジカップの時は「GK」と「DF」と「MF/FW」で、MFとFWの表記が「MF/FW」と一括りになっていた。
このとき日本代表が「総合職フットボール」を目指しているのではないかと思い始めましたが、今回「FP(フィールドプレーヤー)」の一括りになったことで益々注目ポイントになってきた。
ただし「総合職フットボール」を目指す意図はなく、便宜上「FP(フィールドプレーヤー)」の表記にしたのかもしれません。
「総合職フットボール」について過去記事からの抜粋
総合職フットボール
欧米と日本の仕事文化を比較したときに、どちらかと言えば
- 欧米の仕事文化は「専門職」に強い
- 日本の仕事文化は「総合職」に強い
イメージがあって、日本人は「総合職=総合ポジション」に強いフットボールが肌に合うかもしれないと考えています。総合(全部又は複数)のポジションをそつなくこなすので、試合中に「自由」にポジションを移動できる。これによって相手を惑わせることが可能になると考えられます。
話を試合に戻すと、「自由」なポジション移動により相手をかく乱しながら、知念選手がアグレッシブにシュートを打ちまくる積極性が、かつての川崎の「勢い」を取り戻すエンジンになったように映った。
アグレッシブなマルシーニョ選手は好調を維持しているし、後は若い選手のブレークが期待される。
途中出場の宮城天選手のチャレンジが良かった。
橘田選手が攻撃面での得意技を身に着ければ最高の「総合職」の仕事人になると思うのですが、求め過ぎだろうか?
参考:【エンタメ度】川崎4-0鳥栖(J1・第20節・8月31日)
夢想するジャパニーズ・フットボールの未来図
京都の激しいプレスに対してマリノスはどう対応したのか?
普段のマリノスならキーパーの高丘選手から繋ぐところ、高丘選手はロングフィードを多用した。
その高丘選手の対応から、試合の重要性や戦況を見極めチームの戦い方をコントロールしている印象を受けて、まるでキーパーが司令塔。
司令塔としてロングフィードでチームをコントロールする高丘選手のパフォーマンスに新しいフットボールへの期待が膨らんだ。
キーパーが司令塔で、ボールを散らし、アシストもし、スイーパーにもなる。
それ以外のフィールドの選手は多様なポジションをこなす総合職フットボーラーで、点も取るしアシストもする。控えという概念はなく20人が平均5点を取りチームのシーズン総計100点を目指すフットボール。
これが個人的に期待する未来のジャパニーズ・フットボールの一つ。
総合職フットボールの道!
ペップ・グアルディオラのマンチェスターシティが先に行くのかと思っていましたが、世界屈指のセンターフォワードであるハーランドを必要としたことで、ペップの道がフィールドの選手がみんな点も取りアシストもする総合職フットボールの道ではなかったと考えられる。
やっぱり、欧米は総合職より専門職のcamino(カミノ:道)をcaminar(カミナーレ:歩く)方が自然で、日本は総合職の道を歩くことも自然なことなのかもしれない。
キーパーが司令塔スイーパー
他の選手は点も取りアシストもディフェンスもする総合職フットボーラー
(司令塔スイーパーキーパーも相当な総合職のような気がする)
ぶっ飛んだ発想ですがワクワク感もある!
すり合わせフットボール
キリンチャレンジカップのエクアドル戦を見て考えた森保Japanのフットボール
すり合わせフットボール
は、チーム内(監督・コーチ・選手の間)で「戦い方」を「すり合わせる」ことが要のフットボール。
言い換えれば
「戦術カスタマイズ指向型フットボール」
これと対極にあるのが
「戦術マニュアル指向型フットボール」
で、こちらは「戦い方」が決められているフットボール。
戦術のマニュアル&カスタマイズを分かりやすく表にしてみる。
監督の戦術 | マニュアル&カスタマイズ | |
---|---|---|
割合 | 表現 | |
100% | ガチガチ | 戦術マニュアル指向 |
50% | 適度 | 適度にマニュアル&適度にカスタマイズ |
0% | 自由 | 戦術カスタマイズ指向 |
森保Japanはマニュアルとカスタマイズの割合がどの程度なのかはわからないけど「戦術カスタマイズ指向」の強いフットボールだと思われる。
そのため「すり合わせ」できる間柄であることが選考の重要項目の一つになっているのではないかと推察できる。
直近3大会のメンバー
直近3大会のメンバーの海外チーム所属(経験)を比較すると、ほぼ海外チームになってきた。
所属(経験) | 2022年W杯 | 2018年W杯 | 2014年W杯 |
---|---|---|---|
海外チーム所属 | 20 | 15 | 12 |
海外チーム経験 | 3 | 2 | 2 |
Jリーグのみ | 3 | 6 | 9 |
合計 | 26 | 23 | 23 |
それと連続して(または複数回)選ばれているのは「キャプテンタイプ、まとめ役タイプ、盛り上げ役タイプ」の選手が多い印象を受ける。
どんなチームでも大切な役柄ではありますが、特に「総合職すり合わせ」の職場では益々重要な存在になりそうです。
選手 | 2022年W杯 | 2018年W杯 | 2014年W杯 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 所属チーム | 年齢 | 所属チーム | 年齢 | 所属チーム | |
川島永嗣 | 39 | ストラスブール | 35 | FCメス | 31 | スタンダール |
長友佑都 | 36 | FC東京 | 31 | ガラタサライ | 27 | インテル |
吉田麻也 | 34 | シャルケ | 29 | サウサンプトン | 25 | サウサンプトン |
権田修一 | 33 | 清水 | 25 | FC東京 | ||
酒井宏樹 | 32 | 浦和 | 28 | マルセイユ | 24 | ハノーファー |
柴崎岳 | 30 | レガネス | 26 | ヘタフェCF | ||
遠藤航 | 29 | シュツットガルト | 25 | 浦和 | ||
谷口彰悟 | 31 | 川崎 | ||||
シュミット | 30 | シントトロイデン | ||||
伊東純也 | 29 | スタッド・ランス | ||||
山根視来 | 28 | 川崎 | ||||
浅野拓磨 | 27 | ボーフム | ||||
南野拓実 | 27 | モナコ | ||||
守田英正 | 27 | スポルティングCP | ||||
鎌田大地 | 26 | フランクフルト | ||||
板倉滉 | 25 | ボルシア | ||||
中山雄太 | 25 | ハダースフィールド | ||||
三笘薫 | 25 | ブライトン | ||||
相馬勇紀 | 25 | 名古屋 | ||||
前田大然 | 25 | セルティック | ||||
堂安律 | 24 | フライブルク | ||||
上田綺世 | 24 | セルクル・ブルージュ | ||||
田中碧 | 24 | デュッセルドルフ | ||||
冨安健洋 | 23 | アーセナル | ||||
伊藤洋輝 | 23 | シュツットガルト | ||||
久保建英 | 21 | レアル・ソシエダ | ||||
長谷部誠 | 34 | フランクフルト | 30 | ニュルンベルク | ||
岡崎慎司 | 32 | レスター | 28 | マインツ | ||
本田圭佑 | 32 | パチューカ | 27 | ACミラン | ||
香川真司 | 29 | ドルトムント | 25 | マンチェスターU | ||
大迫勇也 | 28 | ブレーメン | 24 | 1860ミュンヘン | ||
酒井高徳 | 27 | ハンブルガーSV | 23 | シュツットガルト | ||
東口順昭 | 32 | ガンバ大阪 | ||||
槙野智章 | 31 | 浦和 | ||||
乾貴士 | 30 | ベティス | ||||
山口蛍 | 27 | セレッソ大阪 | ||||
原口元気 | 27 | ハノーファー | ||||
宇佐美貴史 | 26 | デュッセルドルフ | ||||
武藤嘉紀 | 25 | マインツ | ||||
昌子源 | 25 | 鹿島 | ||||
大島僚太 | 25 | 川崎 | ||||
植田直通 | 23 | 鹿島 | ||||
中村航輔 | 23 | 柏 | ||||
遠藤保仁 | 34 | ガンバ大阪 | ||||
大久保嘉人 | 32 | 川崎 | ||||
今野泰幸 | 31 | ガンバ大阪 | ||||
青山敏弘 | 28 | 広島 | ||||
伊野波雅彦 | 28 | 磐田 | ||||
森重真人 | 27 | FC東京 | ||||
西川周作 | 27 | 浦和 | ||||
内田篤人 | 26 | シャルケ | ||||
清武弘嗣 | 24 | ニュルンベルク | ||||
柿谷曜一朗 | 24 | セレッソ大阪 | ||||
齋藤学 | 24 | 横浜F・マリノス | ||||
山口蛍 | 23 | セレッソ大阪 |