12月3日のWEリーグ第5節
ノジマステラ神奈川相模原 vs マイナビ仙台レディース
N相模原は
WakuWakuエンタメフットボールを追及していて、Jリーグではイメージ的に大木監督演出の熊本のフットボールに近い。
「狭いエリアで数人の選手がポンポン繋ぐ(ぐるポンフットボール)」にチャレンジしながら、個人の色も出始めている。
試合には負けましたが、また見たくなるフットボールです。
一方のマイナビ仙台
プレーの自由度が高そう、チームのまとまりがカギか?!
と感じていますが、
自由度が高い=戦術がガチガチでない
つまり
戦術を選手間で自由にカスタマイズできる
そんな印象を受けている。(全然違う可能性もあるけど)
これはカタールワールドカップで国民を熱狂させた森保Japanの根幹に似ているのではないか。
すり合わせフットボール
キリンチャレンジカップのエクアドル戦を見て考えた森保Japanのフットボール
すり合わせフットボール
は、チーム内(監督・コーチ・選手の間)で「戦い方」を「すり合わせる」ことが要のフットボール。
言い換えれば
「戦術カスタマイズ指向型フットボール」
これと対極にあるのが
「戦術マニュアル指向型フットボール」
で、こちらは「戦い方」が決められているフットボール。
戦術のマニュアル&カスタマイズを分かりやすく表にしてみる。
監督の戦術 | マニュアル&カスタマイズ | |
---|---|---|
割合 | 表現 | |
100% | ガチガチ | 戦術マニュアル指向 |
50% | 適度 | 適度にマニュアル&適度にカスタマイズ |
0% | 自由 | 戦術カスタマイズ指向 |
森保Japanはマニュアルとカスタマイズの割合がどの程度なのかはわからないけど「戦術カスタマイズ指向」の強いフットボールだと思われる。
そのため「すり合わせ」できる間柄であることが選考の重要項目の一つになっているのではないかと推察できる。
戦術カスタマイズ型のフットボールはチーム内ですり合わせできる間柄になっている必要があり、そのためには「リーダー役、まとめ役、盛り上げ役」などが大事になってきます。
昨シーズンのマイナビ仙台はシーズン前半は好調で、後半は別のチームになったかのように調子を落とした。
中心選手の一人だった長野風花選手がNWSL(アメリカ・女子サッカー・プロリーグ)へ移籍した影響もあったかもしれないが、チームのまとまりが感じられなかったのが印象に残っている。
それが原因なのか分からないが、今シーズンINAC神戸から中島依美選手を獲得した。これはもうチームをまとめてくれというメッセージに映ってしまう。
マイナビ仙台は戦術カスタマイズ型だとすれば、プレーの自由度が高い。
自由が高いが故に、上手くかみ合えば個性が融合したクリエイティブなフットボールが見られるが、反対にまとまりが無くなれば崩壊してしまう。
個性的で技術のある選手が揃っているだけに、まとまりながら面白いフットボールを魅せてくれることを期待したい。
WEリーグ:順位とフットボールの印象
順位 | チーム | 勝点 | 試合 | フットボールの印象 |
---|---|---|---|---|
1 | 浦和L | 12 | 4 | パフェ・オーケストラ・フットボール |
2 | マイ仙台 | 12 | 5 | プレーの自由度が高そう、チームのまとまりがカギか?! |
3 | INAC神戸 | 10 | 4 | 強固で司令塔的なDFとスペース大作戦 |
4 | 東京NB | 9 | 5 | 緑茶ヒーリングBGMフットボール |
5 | S広島R | 7 | 5 | バランス良いフットボール |
6 | 大宮V | 6 | 4 | 「横に広く展開」にチャレンジ |
7 | N相模原 | 6 | 4 | 「狭いエリアで数人の選手がポンポン繋ぐ(ぐるポンフットボール)」にトライ。個人の色が出始める。 |
8 | EL埼玉 | 6 | 5 | 守備の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
9 | 千葉L | 4 | 5 | 「縦に速く」から修正を模索中 |
10 | 新潟L | 1 | 5 | 守備の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
11 | AC長野 | 0 | 4 | 守備の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
WEリーグの特色(個人的な印象)
日本人が好みそうな「トラップが柔軟、パスが丁寧、ドリブルが繊細」な選手が多い(というかほぼ全員のように感じる)ので、狭い局面でのパス&ムーブのリズムが日本人の趣向に合うのではないか。
どのチームも急激に守備能力が上がったので、圧倒的な力の差を感じなくなった。
キック力が弱いことのプラス面も大きい。それはピッチの外にボールが出ることがかなり少なく試合の流れが切れないことに繋がっている。試合が途切れないのはエンタメとして大きなアドバンテージ。