リラックスのための緑茶とパンチの効いたメロンソーダ
12月24日のWEリーグ第7節
大宮アルディージャVENTUS vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
この日も東京Vベレーザは、持ち前の「緑茶ヒーリングBGMフットボール」で試合を落ち着かせる。
ただし大宮も東京Vベレーザのフットボールを研究しているはずで、緑茶を飲みヒーリングミュージックを聞きながらもゴールは割らせない。
対する東京Vベレーザの奇策は?
メロンソーダの出番です。
「緑茶フットボール」とは
いつもは癒しの緑茶
時々メロンソーダ
将来は世界も憧れる抹茶
フットボール
1点目のメロンソーダは宇津木瑠美選手の楔のパスから始まる。
この楔は相手のディフェンダーにクリアされるが、そのクリアボールを木下桃香選手がダイレクトでストライカーの植木理子選手にパスした。
このパスに植木選手をマークしていたディフェンダーが思わずボールを取りに出てしまい、入れ替わられキーパーと1対1になりゴールが決まった。
リラックスしたパスとドリブルで試合を落ち着かせながらもゴールが決まらない展開では、意表を突いたパスで相手を混乱させる必要がある。
しかし東京Vベレーザはリラックス・フットボールを日々研鑽している若い選手が多いためか、相手を混乱させるパンチのきいたメロンソーダ・パスを出す選手が少ない印象を受ける。
宇津木選手は、ワールドカップ優勝や海外での豊富なフットボール体験があるためなのか、リラックス・フットボールを演じながら状況に応じて相手を混乱させるパンチのきいたプレーもできるように映る。
そのパンチのきいた宇津木選手のパスによって、リラックス・フットボールのリズム指揮者(コンダクター)である木下選手に意外性が連鎖してダイレクトパスに繋がり、相手ディフェンダーがリズムを乱して思わずボールを取りに出てしまったようにも思える。
木下選手は、まさしく東京Vベレーザのリラックス・フットボールのリズム指揮者(コンダクター)。
ボールを持ったらほぼ取られない、リラックスしてボールを運んでパスを付けて試合を落ち着かせる。
意表を突く意外性というよりは、リラックスしているから常に相手の逆を取っている感じ。
右か左かの駆け引きで
相手が
右と思ったら左に
左と思ったら右に
そんな感じ
これはリラックスしているから出来る技で「緑茶ヒーリングBGMフットボール」の妙技。
それに対し意表を突く意外性とは
相手は
右か左かと考えているのに
上だった!
そんな感じ
これは「緑茶と思ったらメロンソーダだった・フットボール」に繋がる。
木下選手は意外性よりリラックスしているので逆が取れる感じがする。
ところが縦にダイレクトで付けた今回のパスは意外性があったように思う。
その意外性は、宇津木選手の意外性のあるパンチのきいた楔のパスから連鎖しているような印象を受けた。
もうひとつ(2点目)のメロンソーダはコーナーキックからのヘディングシュートだった。
風が不足?!
堅守で戦っている大宮は2点取られると厳しい。
緑茶を飲み過ぎ、ヒーリングミュージックを聞き過ぎて、攻撃するエネルギーが残っていなかった。
落ち着き過ぎた。絶え間ないまではいかなくとも、ある程度ヒーリングミュージックをかき消す、風(VENTUS:ベントス)が必要だったのかもしれない。
その風とは何か?
今シーズンの印象では「横に広く展開」にチャレンジしているイメージがあったので、左右に素早く展開し縦に風のような攻撃
字のごとく「V」の形の
「風(VENTUS:ベントス)」
のようなアタック
かもしれない。
「勝利の風」
ラテン語の風「ventus」から派生したスペイン語の「viento」を使って!
スペイン語
勝利(victoria)の
風(viento)が吹き
ワイン(vino)で
祝杯を挙げる
勝利のカギはV
勝利
- 西語:victoria
- 伊語:vittoria
- 仏語:victoire
- 英語:victory / win
勝つ
- 西語:vencer
- 伊語:vincere
- 仏語:vaincre
- 英語:win
- 独語:gewinnen
ドイツ語の「w」の発音は「v」になる。「gewinnen」と「ge-」が付いている理由は分かりませんが、「German(ドイツ人)」の「Ge」だと仮定すると覚えやすい。
英語は「v」ではなく「w」ですが、同じようにスペイン語・イタリア語は「v-」で、英語・ドイツ語は「w-」で始まる言葉に「ワイン」と「風」があります。
ワインと風
言語 | ワイン | 風 |
---|---|---|
スペイン語 | vino | viento |
イタリア語 | vino | vento |
英語 | wine | wind |
ドイツ語 | Wein | Wind |
スペイン語
勝利(victoria)の
風(viento)が吹き
ワイン(vino)で
祝杯を挙げる
参考)勝利
参考)狩猟での勝利
ハイライト
WEリーグ:順位とフットボールの印象
順位 | チーム | 勝点 | 試合 | フットボールの印象 |
---|---|---|---|---|
1 | INAC神戸 | 16 | 6 | 全員ディフェンダー全員アタッカーのスペース大作戦 |
2 | 浦和L | 15 | 6 | パフェ・オーケストラ・フットボール |
3 | マイ仙台 | 13 | 7 | プレーの自由度が高そう、チームのまとまりがカギか?! |
4 | 東京NB | 12 | 6 | 緑茶ヒーリングBGMフットボール |
5 | N相模原 | 9 | 6 | 「狭いエリアで数人の選手がポンポン繋ぐ(ぐるポンフットボール)」にトライ。個人の色が出始める。 |
6 | 大宮V | 9 | 6 | 「横に広く展開」にチャレンジ |
7 | EL埼玉 | 9 | 7 | 守備「鏡ディフェンス」の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
8 | S広島R | 7 | 6 | バランス良いフットボール |
9 | 千葉L | 5 | 6 | 縦に速い新幹線アタックから山手線・中央線(総武線)ポゼッションへ修正を模索中、鉄道フットボール? |
10 | AC長野 | 3 | 6 | 守備「鏡ディフェンス」の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
11 | 新潟L | 1 | 6 | 守備の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
WEリーグの特色(個人的な印象)
日本人が好みそうな「柔らかいトラップ、丁寧なパス、繊細なドリブル」をする選手が多い(というかほぼ全員のように感じる)ので、狭い局面でのパス&ムーブのリズムが日本人の趣向に合うのではないか。
どのチームも急激に守備能力が上がり圧倒的な力の差を感じなくなった。
キック力が弱いことのプラス面も大きい。それはピッチ外にボールが出ることが少なく試合の流れが切れないことに繋がっている。試合が途切れないのはエンタメとして大きなアドバンテージ。
そこで気になるのが、試合が途切れず交代選手がなかなかピッチに入れない場面。監督は交代のタイミングが難しいそう。
個人的なフットボールの見方
フットボールを即興的な芸術作品として印象的に見る
フットボール印象派
例えると絵などの芸術作品は作品が醸し出す雰囲気を楽しみ、漫画などは絵やストーリーの展開を雰囲気で楽しむ感じ。芸術作品の雰囲気を独自の感性で楽しむ印象派。
参考にフットボールを作品や芸術として捉えている人たちの言葉を挙げてみる。
作品
Jリーグ野々村チェアマンはフットボールの試合を「作品」と表現
「サッカーは『作品』。質の高いプレー、スタジアムの空気、サポーターの熱量が一体となった、魅力的な作品をたくさんつくることが、僕の挑戦」
芸術・アート
長谷部選手は「全く同じシーンがない芸術・アート」と表現
質問)周りの選手を生かす面白さってどこにありますか
サッカーの醍醐味って一人じゃなくて
周りの選手の兼ね合いというか
動きとか生かす生かされるの中で
そこになんか変な話
芸術じゃないですけどアートじゃないんですけど
なんかそういうのがすごく含まれてる気がして
~
全く同じシーンがないんですよね
~
35年ぐらいサッカーやってるんですけど
1回も同じシーンがないのがまた面白いですね