三菱重工浦和レッズレディース vs INAC神戸レオネッサ
皇后杯の準々決勝(1月15日)は
INAC神戸が2-1で浦和に勝利!
WEリーグ第6節(12月11日)も
INAC神戸が2-1で浦和に勝利!
シュート数は2試合とも浦和が倍以上打っている。
シュート数 | 浦和 | 神戸 |
---|---|---|
WEリーグ第6節 | 17 | 8 |
皇后杯準々決勝 | 18 | 7 |
まるで同じ試合を再現しているかのようなので、前の試合(WEリーグ第6節)でのコメントを参考に取り上げてみる。
12月11日に行われたWEリーグ第6節
三菱重工浦和レッズレディース vs INAC神戸レオネッサ
INAC神戸のフットボールの印象は、前節を見た限り
強固で司令塔的なDFとスペース大作戦
この日は「全員ディフェンダー全員アタッカー」のイメージ
相手がボール持った時は
全員ディフェンダー
自分たちがボールを持った時は
全員アタッカー
そしてアタックするときは、
前にスペースがあれば誰でもドリブルでどんどん運び
裏にスペースがあれば誰かが走りボールを送る
まさに
スペース大作戦
まとめると
全員ディフェンダー全員アタッカーのスペース大作戦
一方の浦和はオーケストラ・フットボールで押し込み多くのシュートを放った。
ただ浦和の交響曲の楽章は
- 前半
- 第1・2楽章は「急」で盛り上がりを見せゴールを決めたい
- 後半
- 第3楽章は「緩」となり相手に攻め込まれピンチになる
- 第4楽章は「急」となりサポーターの合唱も力強さを増しゴールを決めたい
というのが定番なのだろうか?
この試合の交響曲ではバンバンシュートを放った前半の第1・2楽章で得点できなかったのが響いた印象。
ただINAC神戸の最終ラインは強固で崩れないし、近距離のシュートはブロックするし、ほぼロングシュートに抑えて、浦和の交響曲「急」の勢いを見事に止めていた。
試合は2-1で「全員ディフェンダー全員アタッカーのスペース大作戦」が大成功!
今回の皇后杯の準々決勝についても上記の「参考」に収まる感じ。
浦和オーケストラに足りなかったのは何だろう?
レパートリー?!
「うらわ交響曲第1番(初音)」しかないのだろうか?
ただこの「うらわ交響曲第1番(初音)」の完成度が高い。完成度が高いので今シーズンはWEリーグカップに優勝し現在リーグ戦は2位。
ところが神戸にはかなわない。そこで神戸の「全員ディフェンダー全員アタッカーのスペース大作戦」を上回る「うらわ交響曲第2番(春日)」が必要なのかもしれない?
WEリーグのシーズン再開(3月4日・5日)で新たなレパートリーが奏でられることを期待したい。
インパクトプレー
マルチタレントプレーヤー(今シーズンはCB)の安藤梢選手がディフェンダーを背負いながら浮いたボールを回転トラップして、初代WEリーグMVP鉄壁のゴールキーパー山下杏也加選手の逆を突くゴラッソ!(ハイライト3:30頃から)
マルチタレントプレーヤー安藤梢選手については
準決勝は「INAC神戸レオネッサ vs ちふれASエルフェン埼玉」
WEリーグ:順位とフットボールの印象
順位 | チーム | 勝点 | 試合 | フットボールの印象 |
---|---|---|---|---|
1 | INAC神戸 | 19 | 7 | 全員ディフェンダー全員アタッカーのスペース大作戦 |
2 | 浦和L | 18 | 7 | パフェ・オーケストラ・フットボール |
3 | マイ仙台 | 14 | 8 | プレーの自由度が高そう、チームのまとまりがカギか?! |
4 | 東京NB | 13 | 7 | 緑茶ヒーリングBGMフットボール |
5 | N相模原 | 10 | 7 | 「狭いエリアで数人の選手がポンポン繋ぐ(ぐるポンフットボール)」にトライ。個人の色が出始める。 |
6 | 大宮V | 10 | 7 | 「横に広く展開」にチャレンジ |
7 | EL埼玉 | 9 | 7 | 守備「鏡ディフェンス」の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
8 | S広島R | 8 | 7 | バランス良いフットボール |
9 | 千葉L | 5 | 7 | 縦に速い新幹線アタックから山手線・中央線(総武線)ポゼッションへ修正を模索中、鉄道フットボール? |
10 | AC長野 | 4 | 7 | 鏡フットボールを習得しつつある?! |
11 | 新潟L | 1 | 7 | 守備の構築優先。攻撃の色は模索中。 |
WEリーグの特色(個人的な印象)
日本人が好みそうな「柔らかいトラップ、丁寧なパス、繊細なドリブル」をする選手が多い(というかほぼ全員のように感じる)ので、狭い局面でのパス&ムーブのリズムが日本人の趣向に合うのではないか。
どのチームも急激に守備能力が上がり圧倒的な力の差を感じなくなった。
キック力が弱いことのプラス面も大きい。それはピッチ外にボールが出ることが少なく試合の流れが切れないことに繋がっている。試合が途切れないのはエンタメとして大きなアドバンテージ。
そこで気になるのは試合が途切れず交代選手がなかなかピッチに入れない場面。監督は交代のタイミングが難しいそう。
個人的なフットボールの見方
フットボールを即興的な芸術作品として印象的に見る
フットボール印象派
例えると絵の場合は作品が醸し出す雰囲気を楽しみ、漫画は絵やストーリーの展開を雰囲気で楽しむ感じ。芸術作品の雰囲気を独自の感性で楽しむ印象派。
参考にフットボールを作品や芸術として捉えている人たちの言葉を挙げてみる。
作品
Jリーグ野々村チェアマンはフットボールの試合を「作品」と表現
「サッカーは『作品』。質の高いプレー、スタジアムの空気、サポーターの熱量が一体となった、魅力的な作品をたくさんつくることが、僕の挑戦」
芸術・アート
長谷部選手は「全く同じシーンがない芸術・アート」と表現
質問)周りの選手を生かす面白さってどこにありますか
サッカーの醍醐味って一人じゃなくて
周りの選手の兼ね合いというか
動きとか生かす生かされるの中で
そこになんか変な話
芸術じゃないですけどアートじゃないんですけど
なんかそういうのがすごく含まれてる気がして
~
全く同じシーンがないんですよね
~
35年ぐらいサッカーやってるんですけど
1回も同じシーンがないのがまた面白いですね