定冠詞
スペイン語・イタリア語・フランス語・ポルトガル語
定冠詞「その(the)」
修飾する名詞の性別・数によって変化する
性別・単複 | 男・単 | 男・複 | 女・単 | 女・複 |
---|---|---|---|---|
ポルトガル語 | o | os | a | as |
スペイン語 | el | los | la | las |
イタリア語 | il | i | la | le |
フランス語 | le | les | la | les |
特徴
- ポルトガル語は規則正しい
- スペイン語は「l」+「ポルトガル語」、「el」が特別
- フランス語は「le(s)」、「la」が特別
- 女性単数がほぼ同じ(a,la,la,la)
発音
英語・オランダ語・ドイツ語
定冠詞「その(the)」
- 英語:the
- 蘭語:de、(中性単数名詞は)het
- 独語:der、die、das
ドイツ語の場合、語尾変化が起きる
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | der | die | die | das |
~を (4格) | den | die | die | das |
~に (3格) | dem | der | den | dem |
特徴
「~が(1格)」と「~を(4格)」で変化しない
女性単数「die」・複数「die」・中性単数「das」
表のように、男性単数→女性単数→複数→中性単数で並べると
der → den → dem
の並びが縦と横にできる。
スペイン語
「冠詞・形容詞」+「名詞」の特色
韻を踏む
- -o -o
- -os -os
- -a -a
- -as -as
名詞の性別に関して「-o」で終わる単語には男性名詞、「-a」で終わる単語には女性名詞が多いので、該当する場合は「韻を踏む」形になる。
形容詞
新しい「本・言葉」
性別・単複 | 本/言葉 | 新しい |
---|---|---|
男・単・o | libro | nuevo |
男・複・os | libros | nuevos |
女・単・a | palabra | nueva |
女・複・as | palabras | nuevas |
この・その
「この・その」新しい「本・言葉」
性別・単複 | この | その | 本/言葉 | 新しい |
---|---|---|---|---|
男・単・o/e | este | ese | libro | nuevo |
男・複・os | estos | esos | libros | nuevos |
女・単・a | esta | esa | palabra | nueva |
女・複・as | estas | esas | palabras | nuevas |
不定冠詞
ある新しい「本・言葉」
性別・単複 | ある | 本/言葉 | 新しい |
---|---|---|---|
男・単・o | un | libro | nuevo |
男・複・os | unos | libros | nuevos |
女・単・a | una | palabra | nueva |
女・複・as | unas | palabras | nuevas |
定冠詞・あの
「その(the)・あの」新しい「本・言葉」
性別・単複 | その | あの | 本/言葉 | 新しい |
---|---|---|---|---|
男・単・o | el | aquel | libro | nuevo |
男・複・os | los | aquellos | libros | nuevos |
女・単・a | la | aquella | palabra | nueva |
女・複・as | las | aquellas | palabras | nuevas |
スペイン語の「定冠詞(the)」と「あれこれ…」
特徴
- 男性単数が「
lo/-o」はなく「el/-e」 - 中性の語尾が「-o」
定冠詞(the)
性別 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
男性 | el | los |
女性 | la | las |
「lo」は「中性」
例)「lo+形容詞」で名詞化
lo importante
意味:大切なもの
この・これ・その・それ
この「est-」、これ「ést-」、その「es-」、それ「és-」の後ろに付く文字
性別 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
男性 | –e | –os |
女性 | –a | –as |
「-o」は「中性」
中性
- esto:これ
- estos:これら
- eso:それ
- esos:それら
あの・あれ
あの「aquel」、あれ「aquél」の後ろに付く文字
性別 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
男性 | -los | |
女性 | -la | -las |
基本的に「aquel+定冠詞」
男性単数は「aquelel」ではなく「aquel」
彼は・彼女は・彼らは・彼女たちは
性別 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
男性(彼) | él | ellos |
女性(彼女) | ella | ellas |
基本的に「el+定冠詞」になっている
男性単数は「elel」ではなく「él」
男性単数形の語尾が「-o」で、定冠詞も「lo」になっていれば、とても規則的でわかりやすいけれども、法則性を欠いても「-e」と「el」を使うということは、この「-e」や「el」は何かしら意味があって特別扱いをしているのかもしれない。
ちなみに非常に近い言語であるポルトガル語の定冠詞(the)は規則的です。
性別 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
男性 | o | os |
女性 | a | as |
各言語の「定冠詞(the)」
修飾する名詞の性別・数によって変化する
性別・単複 | 男・単 | 男・複 | 女・単 | 女・複 |
---|---|---|---|---|
ポルトガル語 | o | os | a | as |
スペイン語 | el | los | la | las |
イタリア語 | il | i | la | le |
フランス語 | le | les | la | les |
特徴
- ポルトガル語は規則正しい
- スペイン語は「l」+「ポルトガル語」、「el」が特別
- フランス語は「le(s)」、「la」が特別
- 女性単数がほぼ同じ(a,la,la,la)
発音
イタリア語
「冠詞・形容詞」+「名詞」の特色
韻を踏む
- -o -o
- -i -i
- -a -a
- -e -e
名詞の性別に関して「-o」で終わる単語には男性名詞、「-a」で終わる単語には女性名詞が多いので、該当する場合は「韻を踏む」形になる。
この
この(これらの)「本・試合」
性別・単複 | この/これらの | 本/試合 |
---|---|---|
男・単・o | questo | libro |
男・複・i | questi | libri |
女・単・a | questa | partita |
女・複・e | queste | partite |
libro:本
partita:試合
形容詞
新しい「本・試合」
性別・単複 | 本/試合 | 新しい |
---|---|---|
男・単・o | libro | nuovo |
男・複・i | libri | nuovi |
女・単・a | partita | nuova |
女・複・e | partite | nuove |
形容詞は名詞の後ろが基本。(前の場合もある)
不定冠詞
新しい「本・試合」
性別・単複 | ある1つの | 本/試合 | 新しい |
---|---|---|---|
男・単・o | un | libro | nuovo |
女・単・a | una | partita | nuova |
男性単数が「uno」になるケース
gn, pn/ps, z, s+子音の前
定冠詞
新しい「本・試合」
性別・単複 | その(the) | 本/試合 | 新しい |
---|---|---|---|
男・単・o | il | libro | nuovo |
男・複・i | i | libri | nuovi |
女・単・a | la | partita | nuova |
女・複・e | le | partite | nuove |
「il」だけ「韻を踏む」から外れている。
「il」だけ「特別」
ドイツ語
語尾変化の特徴
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | -er(※1) | -e(※2) | -e(※2) | -es(※3) |
~を (4格) | -en | -e(※2) | -e(※2) | -es(※3) |
~に (3格) | -em | -er | -en | -em |
~の (所有格) | -es(※4) | -er | -er | -es(※4) |
語尾変化のパターン
ケース | 特徴 |
---|---|
この、どの、すべての、等の定冠詞類 | 上記表 |
1つの、私の、等の不定冠詞類 | (※1)と(※3)は語尾が無くなる |
冠詞「der(the)」 | (※2)は「-ie」で「die」 (※3)は「-as」で「das」 |
冠詞が付かない「形容詞」+名詞 | (※4)は「-en」 |
特徴
①「~が(1格)」=「~を(4格)」
※「男性単数」以外
②「女性単数」=「複数」
※「~に(3格)」以外
③「er → en → em」の並び
表のように、男性単数→女性単数→複数→中性単数で並べると
er → en → em
の並びが縦と横にできる。
「~が(1格)の語尾変化」と「3人称」の類似
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | -er | -e | -e | -es |
3人称 | er 彼は | sie 彼女は | sie 彼らは/彼女らは/それらは | es それは |
- 男性単数:er
- 女性単数=複数:e
- 中性単数:es
参考)「3人称女性単数(彼女は)」と「3人称複数(彼らは/彼女らは/それらは)」が同じ「sie」であることについての考察
sie
- 彼女は
- 彼らは/彼女らは/それらは
さらに「2人称の敬称(あなた、あなた方)」も同じく「Sie(Sは大文字)」である。
Sie
- あなたは、あなた方は(敬称)
この「2人称敬称のSie」は動詞の語尾活用が「3人称複数のsie」と同じで、もともとは「3人称複数のsie」を転用したらしい。
「彼らは/彼女らは/それらは」→「あなたは、あなた方は(敬称)」
このことから「3人称複数のsie」は「敬称」に値する存在だと仮定してみる。
古代に想像を巡らせて
「3人称複数のsie(彼ら・彼女ら・それら)」
→「敬称」に値する存在
→「神々」
中でも「女神」が特に大切だったと考えると
「3人称女性単数(彼女は)」→「sie」
であることに納得感が出る。
つまり「神々」と「女神」が「sie」
また「sie」のスペルで始まる言葉に
- 勝利を意味する「Sieg(ジーク)」
- ゲルマン神話の英雄「Siegfried(ジークフリート)」
がある。
勝利(Sieg:ジーク)の「神々」と「女神」が
3人称複数の「sie(彼ら・彼女ら・それら)」
3人称女性単数の「sie(彼女)」
英雄「Siegfried(ジークフリート)」は分解して語源をたどると「勝利」と「平和」になるらしい。
ジーク Sieg | フリーデ Friede |
勝利 | 平和 |
定冠詞(the)
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | der | die | die | das |
~を (4格) | den | die | die | das |
~に (3格) | dem | der | den | dem |
~の (所有格) | des | der | der | des |
この
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | dieser | diese | diese | dieses |
~を (4格) | diesen | diese | diese | dieses |
~に (3格) | diesem | dieser | diesen | diesem |
~の (所有格) | dieses | dieser | dieser | dieses |
不定冠詞(a)
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 中性単数 | |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | ein | eine | ein | |
~を (4格) | einen | eine | ein | |
~に (3格) | einem | einer | einem | |
~の (所有格) | eines | einer | eines |
代名詞(no)
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | kein | keine | keine | kein |
~を (4格) | keinen | keine | keine | kein |
~に (3格) | keinem | keiner | keinen | keinem |
~の (所有格) | keines | keiner | keiner | keines |
「冠詞類+形容詞」の時の語尾変化
「冠詞類+形容詞」の時の語尾変化
例)「彼の2番目の」ゴール
- 彼の:冠詞類
- 2番目の:形容詞
1)冠詞類の語尾変化
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | -er(※1) | -e(※2) | -e(※2) | -es(※3) |
~を (4格) | -en | -e(※2) | -e(※2) | -es(※3) |
~に (3格) | -em | -er | -en | -em |
~の (所有格) | -es | -er | -er | -es |
語尾変化のパターン
ケース | 特徴 |
---|---|
この、どの、すべての、等の定冠詞類 | 上記表 |
1つの、私の、等の不定冠詞類 | (※1)と(※3)は語尾が無くなる |
冠詞「der(the)」 | (※2)は「-ie」で「die」 (※3)は「-as」で「das」 |
特徴
①「~が(1格)」=「~を(4格)」
※「男性単数」以外
②「女性単数」=「複数」
※「~に(3格)」以外
③「er → en → em」の並び
表のように、男性単数→女性単数→複数→中性単数で並べると
er → en → em
の並びが縦と横にできる。
2)「冠詞類+形容詞」の時の「形容詞」の語尾変化
変化 | 男性単数 | 女性単数 | 複数 | 中性単数 |
---|---|---|---|---|
~が (1格) | -e -er | -e | -en | -e -es |
~を (4格) | -en | -e | -e -es | |
~に (3格) | -en | -en | ||
~の (所有格) |
語尾変化のパターン
ケース | 特徴 |
---|---|
この、どの、すべての、等の定冠詞類 | -e |
1つの、私の、等の不定冠詞類 | -er、-es |
冠詞「der(the)」 | -e |
3)彼の2番目の「ゴール(Treffer)」
Treffer:男性単数名詞
ザイン ツゥヴァイター トレファー sein zweiter Treffer 彼の2番目のゴールは |
前置詞「mit:~と一緒に」が付く場合
→この「mit」は後に続く語句を「~に(3格)」にする
ミット ザイネム ツゥヴァイテン トレファー mit seinem zweiten Treffer 彼の2番目のゴールと |
変化 | 彼の | 2番目の | ゴール |
---|---|---|---|
sein | zweite | Treffer | |
男性単数 | |||
~が (1格) | – | -er | Treffer |
~を (4格) | -en | -en | |
~に (3格) | -em | ||
~の (所有格) | -es | Treffers |