欧米と日本の比較から、人気・実力で欧米に引けを取らないスポーツ産業が日本で発展するための道筋を考察してみたい。
欧米:スポーツは遊び・娯楽
スポーツの語源は遊び・娯楽
スポーツは娯楽であるので、いち早くプロ化&産業化
スポーツの語源
ラテン語「deportare(運ぶ)」
構成
- de-:off
- portare:運ぶ
「運ぶ」の派生語
言葉が派生した過程を考察してみると
- 「離れた(off)」所まで「運ぶ」➡ 運動・スポーツ
- 「運ぶ」仕事から「離れる・off」➡ 気晴らし、遊び、楽しみ
- 「離れた(off)」国外へ「運ぶ」➡(国外へ)追放する
スポーツ&気晴らし&国外に追放する
言語 | スポーツ | 気晴らし | 追放する |
---|---|---|---|
スペイン語 | デポルテ deporte | デポルタール deportar | |
ポルトガル語 | ディスュポルト desporto エスポルチ esporte | デポルタール deportar | |
イタリア語 | スポールト sport | ディポールト diporto | デポルターレ deportare |
フランス語 | スポール sport | デポルテ déporter | |
英語 | スポート sport | ディスポート disport | デポート deport |
オランダ語 | スポルト sport | デポルテーレン deporteren | |
ドイツ語 | シュポート Sport | デポルティーレン deportieren |
ポルトガル語
- desporto:ポルトガル
- esporte:ブラジル
言語 | スポーツの |
---|---|
スペイン語 | デポルティーボ deportivo |
ポルトガル語 | ディスュポルティーヴ desportivo(ポルトガル) エスポルチーヴ esportivo(ブラジル) |
イタリア語 | スポルティーヴォ sportivo |
フランス語 | スポルティフ sportif |
英語 | スポルティング sporting |
オランダ語 | スポルティフ sportief |
ドイツ語 | シュポルティーフ sportiv |
「運ぶ」について
※参考:魚を港から家の門に運ぶ
英語「ジョーク」と語源が同じ「試合・プレイする・選手」
英語「ジョーク」と語源が同じ「試合・プレイする・選手」
語源
ラテン語「iocus」
意味
- ジョーク
- 余暇・スポーツ
発音
- 古典ラテン語:ヨクス
- 教会ラテン語:jokus
派生語
- ジョークは英語「joke」に派生。
- 余暇・スポーツは「試合・プレイする・選手」に派生。
試合・ゲーム
スペイン語 | フエゴ juego |
ポルトガル語 | ジョーグ jogo |
イタリア語 | ジョーコ gioco |
フランス語 | ジュ jeu |
「試合・ゲーム」以外の意味
- 遊び・娯楽・ゲーム
- 賭け事・ギャンブル
プレイする
スペイン語 | フガール jugar |
ポルトガル語 | ジョガール jogar |
イタリア語 | ジョカーレ giocare |
フランス語 | ジュエ jouer |
「プレーする」以外の意味
- 遊ぶ
- 賭ける
選手
スペイン語 | フガドール jugador |
ポルトガル語 | ジョガドール jogador |
イタリア語 | ジョカトーレ giocatore |
フランス語 | ジュウール joueur |
※参考:試合
日本:スポーツは学び・教育
教育には頭を鍛える知育と体を鍛える体育があり、その内スポーツは体育で教育の科目。
プラスして習い事&部活(中高大学と企業の部活)が発展してきたが、いずれにしても日本では「学び・教育分野」。
スペイン語とイタリア語の「味、風味」と「知る、学ぶ」
意味 | スペイン語 | イタリア語 |
---|---|---|
味、風味 | sabor | sapore |
知る、学ぶ、味がする | saber | sapere |
「味」と「学ぶ」のスペルが非常に似ている。
日本人の娯楽の王様は「グルメ」で日本人は「学ぶ」のが好きだと仮定すると、日本人にとって「味」と「学ぶ」が似ているのは親しみが持てるかもしれない。
「sab-/sap-」で始まる「匂いや味のテイスト」関連の単語
ヒトは、海水を天日で干して「塩」を作り、味のテイストをして食べられるものを学習し、賢いヒト「ホモサピエンス」と呼ばれるようになった。
意味 | スペイン語 | イタリア語 |
---|---|---|
味、風味 | sabor | sapore |
知る、学ぶ、味がする | saber | sapere |
賢い、学んだ | sapiente/sabio | sapiente/saggio |
知恵 | sapiencia | sapienza |
ヒトの学名がラテン語「Homo sapiens(ホモ・サピエンス)」と呼ばれるようになった。
意味 | スペイン語 | イタリア語 |
---|---|---|
ヒト/homo | hombre | uomo |
賢い/sapiens | sabio | sapiente |
スペイン語
salvador(救世主)の
sal(塩)をつくり
ヒト(hombre)は
sabor(味)で
食べられるものを
saber(知り)
sapiente(賢い)
ヒト(hombre)となった
イタリア語
salvatore(救世主)の
sale(塩)をつくり
ヒト(uomo)は
sapore(味)で
食べられるものを
sapere(知り)
sapiente(賢い)
ヒト(uomo)となった
スポーツの産業化
欧米:遊び・娯楽
→プロ化しやすい
→産業化しやすい
日本:学び・教育
→プロ化と方向性が逆
→常にdevelopment(育成)中なためエンタメ興行以前の状態
※アメリカ
- メジャー(プロフェッショナル):興行
- development(育成):育成
欧州スポーツシステム(個人的推測)
欧州全土で「隣町」と「スポーツで遊ぶ」ことが始まり、やがて地域→国→欧州の間で「遊ぶ」ようになった。
これが欧州全土を覆いつくす「スポーツで遊ぶ」システムとなり、欧州の「娯楽の王様」に君臨。
欧州はスポーツ(遊び・娯楽)発祥の地で地域の歴史も長い。スポーツと地域の歴史は愛着に繋がり、世界最大で強固なスポーツシステムを築き上げた。
遊びだから一つのスポーツ(遊び)にとどまらず、クラブはマルチに遊ぶ。
欧州全土を覆う「スポーツ(遊び)システム」は、各スポーツ(遊び)に即応用できるため、色んなスポーツ(遊び)で「同レベルで週末に遊べるピラミッド型のリーグ」を開催可能。
最近力を入れているのが女子フットボール。あっという間に広がりそう。
スポーツと地域の歴史について欧州・アメリカ・日本の比較
欧州
スポーツ発祥の地
地域の歴史は長い
欧州全土を覆いつくす「同レベルで週末に遊べるピラミッド型のリーグ」に発展
米国
欧州から移民してきたが独自のスポーツを開発
地域の歴史は浅い
移民国家として歴史は浅く国土も広すぎるため欧州のようなシステムは難しく、まず独占プロ興行団体を起こし「夢」を作って、その「夢」を目指す生徒を各地で増やし「デベロップメント(育成)」システムを構築。(と個人的に推測するが違うかもしれない)
日本
スポーツを輸入。教育の一環として利用。
地域の歴史は長い
全国の教育の一環として体の育成を担い、トップ選手が会社の部活を継続する。日本では地域の歴史は長いので、「教育+地域」で学生の大会に注目が集まっていた。
欧米で様々なスポーツのプロ化が進まなければ、日本の教育スポーツでも競技的に食らいついていけたが、欧米のプロ化&産業化によって人気・実力ともに引き離される競技が目立ってきているかもしれない。
日本男子のバスケ、バレーボールが、巻き返しを図ってリーグを改革中‼
バスケ
バスケで日本を元気に
B.革新
バレーボール
強く・広く・社会とつなぐ
V.LEAGUE REBORN
日本のアリーナスポーツ
発展のキーワード:コンビニ
娯楽の王様
地域 | 娯楽の王様 | 雰囲気 |
---|---|---|
欧州 | スポーツ | デュエル(バトル)感 |
米国 | スポーツ&映画&音楽 | パーティー感 |
日本 | グルメ&ショッピング&名所めぐり&季節イベント | お祭り感 |
欧米と日本の娯楽の王様を考えると
欧米:スポーツ
日本:グルメ・ショッピング・名所観光(季節イベント)
と推測。
欧州(ドイツやイングランド)のフットボールでの観客動員の多さは「他に娯楽がないから」ということを聞くことがありますが、スポーツ(遊び・娯楽)の歴史の長さを考えると、欧州の娯楽の王様がスポーツでその中でもフットボールが最も欧州の人達に好まれていると捉えることもできる?
日本人にとっての娯楽の王様「グルメ・ショッピング・名所観光(季節イベント)」が欧州では娯楽として弱い?
いずれにしても、欧州で
スポーツは俺たちが作った娯楽
というプライドは大きいはず。
従って「作った」俺たちが「ルール」を決めるのは当たり前。
面白いのは「バスケ」
アメリカが作った娯楽でアメリカのNBAが世界最大のリーグで人気も実力もありながら、世界的にNBAのルールが採用されず、FIBA(国際バスケットボール連盟)のルールで世界大会が行われている。
FIBAが欧州主導かどうか不明なので「欧州がルール・メーカー」とは言い切れないけど、スキーのジャンプや柔道などでは「欧州がルール・メーカー」という顔が見え隠れする。
時代の趨勢
テクノロジーの発展がスポーツのルール運用にも影響を及ぼし始めた。コンピューターによるルールの運用(VARなど)は、欧州にとって有利なルール運用を崩す可能性はある。
また、欧州で娯楽の多様化が進み(ゲーミングなど)、スポーツ以外に関心が広がり人気・実力が相対的に低下する可能性もある。
日本のスポーツ、参考にするのはコンビニ
コンビニはアメリカからの輸入システム。日本に合った店づくりをしていった結果、日本全国に広がり便利で楽しくて無くてはならない店になった。
日本の娯楽の王様は「グルメ・ショッピング・名所観光(季節イベント)」ですが、コンビニはそれらを網羅したエンターテインメント・システムかもしれない。
※名所?たまに県内初出店で行列ができるなどは名所的?
日本は欧州のスポーツ(娯楽)を輸入し、アメリカの「夢+デベロップメント(育成)」システムに対して、教育の一環の「デベロップメント(育成)only」システムとして親しんできた。
最近の日本スポーツプロ化では、アメリカの「夢」の部分に日本の娯楽の王様「グルメ・ショッピング・名所観光(季節イベント)」をプラスして、コンビニのように日本にあった「夢(プロ)」リーグを目指している印象を受ける。
コンビニは、顧客のニーズに応えるために毎週100品の新商品を出し年間7割の商品が入れ替わるらしい。季節・流行に合わせて常に飽きさせない商品開発が行われている。
コンビニはフランチャイズ制(地域担当制)で、アリーナスポーツのBリーグは将来的にB.革新でフランチャイズ制(地域担当制)に近い感じになりそう。そこでBリーグ・Vリーグ・Wリーグをコンビニに例えて
Bリーグがセブンイレブン(先発・先導)
Vリーグがローソン(関西圏多目)
Wリーグがファミリーマート(親しみ)
のように3つ巴で発展していってほしい。
切磋琢磨・共存共栄して発展してきたコンビニのようにアリーナスポーツ界も、商品開発や経営ノウハウを地域担当(フランチャイズ)の各チームが共有して、次々に新商品・新サービスを開発、常に飽きさせないエンタメを演出するスポーツ(娯楽)システムに向かっているように感じる。
もちろんコンビニ(アリーナスポーツ)の差別化・個性も楽しみ‼
デュエル系スポーツとネット系スポーツ
デュエル系スポーツ | フットボール、バスケットボール、アイスホッケー等 |
ネット系スポーツ | バレーボール、卓球、バドミントン等 |
欧米はデュエル(肉弾戦バトル)を好む傾向があり、人気と実力とも世界を圧倒している。一方のネット系スポーツはインドから日本にわたるアジア地域で人気と実力が世界的にも抜きんでている印象。
デュエル系スポーツは肉弾戦のために、審判のジャッジが勝敗に大きく影響することが多々ある。更にデュエル系スポーツの「創造主=ルールメーカー」の意向も左右する。
したがって「理不尽な審判」を含めて楽しむスポーツ。
つまりデュエル系スポーツは「創造主&審判」と「選手&サポーター」が作り出す演劇ドラマを楽しむマインドが大切になっていると思われる。
「創造主&審判」を崇める宗教文化を培ってきた欧州が「創造主(ルールメーカー)&審判」の意向が試合を左右するデュエル系スポーツを好んでいるのは偶然としても興味深い。
一方のネット系スポーツは肉弾戦が無いので理不尽な審判に耐える必要性が少なく、テクノロジーの発展により「AI&機械」判定に代われるし、偶然にもインドから日本にかけてのアジア地域で人気なのも何か理由があるかもしれない。
インドから日本までのアジア地域で圧倒的な人気を誇るネット系スポーツのチャンピオンシップを育てることが出来れば、日本でもスポーツが娯楽の王様の仲間入りを果たす道筋ができる可能性も考えられる。
また「理不尽な審判」の影響を受けない「ゲーム(TV&ネット)」が欧州の若者の間で人気になっているとすれば、今後欧州でのネット系スポーツに対する関心を高まることがあるのか注目してみたい。
対戦 or 競技
- 「対戦」とは「相手に対して戦う」つまり「デュエル&得点を奪う」
- 「競技」とは「技を競う」つまり「個人・チーム&採点」
「対戦」と「競技」を上記のように仮に定義した場合、欧州では体操やフィギアスケート等の「技を競う採点競技」に対する人気がそれ程でもないように感じる。
スポーツに色々あれども欧州はやはりデュエル好き。日本では「技を競う」の好きだと思う。
源泉は「好き」
源泉は「好き」
「好き」に溢れて「人気」
「人気」が高まり「実力」
「好き」を「好き」に楽しむスポーツ
地域スポーツをマルチに楽しむ!
Jリーグ百年構想では、「地域に根ざしたスポーツクラブ」で、人それぞれ好きなスポーツを、人それぞれの楽しみ方「する」「見る」「支える」で楽しめる地域社会を目指している。
参考:Jリーグ百年構想
個人的に「見ている」スポーツ
個人的に「見ている」スポーツ
- フットボール
- バスケ
- 卓球
- バレーボール
面白さの特色を「他のエンターテインメント」や「選手の気持ちの映り方」に例えて比べると違いを楽しめる。
スポーツ | エンタメ | 選手の気持ちの映り方 |
---|---|---|
フットボール | 絵、漫画 | 気持ちをプレーから間接的に読み取る |
バスケット | 音楽、ダンス | 気持ちが流れを作り、流れが得点に反映 |
卓球 | 演劇、ドラマ | 気持ちが得点にダイレクトに反映 |
バレーボール |
※力が拮抗している試合で顕著に見られる。