試合エンタメ度

【WEリーグ】エルフェン埼玉、鏡ディフェンス

12月10日に行われたWEリーグ第6節

ちふれASエルフェン埼玉 vs サンフレッチェ広島レジーナ

WEリーグは急激にディフェンス能力が向上し、チーム間の力の差が無くなってきている印象がある。

その急激なディフェンス能力の向上は、プロ化による練習環境改善の成果が最も早く出る分野なのかもしれない。

それだけではなくWEリーグでは

鏡ディフェンス

の能力が優れていると仮定してみたい。

WEリーグの試合を見ていると、次の対戦相手の戦術を1週間かけて真似しながら対抗策を練習している間に鏡のように受けて立つ鏡ディフェンスができるようになるだけでなく、相手の戦術を同じように演じてしまう鏡フットボールも稀に見かける気がしている。

漫画に例えると

主人公が相手の技を見切る(鏡ディフェンス)

だけでなく、

その相手の技を使ってしまう(鏡フットボール)

そんなイメージ

埼玉はその鏡ディフェンスで試合に入った。

広島は個人と組織のバランスの取れた良いフットボール。

埼玉は同じ絵を映しながらディフェンスする。

だから広島はなかなか前に進めない。

そんな展開の中で、埼玉の妖精(エルフ)がお茶目なドリブルで広島のディフェンダーを翻弄しゴールを決める。

それでも広島の良さはバランスであるため、自らバランスを崩してまでチャレンジすることはしない。前半は埼玉の鏡ディフェンスに対応された。

体力が落ちる後半になると少しずつバランスの良さが優位に働き、前にボールを通せるようになったがゴールを挙げることはできなかった。

WEリーグの特色になれば面白そうかなと思えるフットボールは

鏡ディフェンスで

相手の戦術を映し出して対応し

試しに相手の戦術を真似て

さらにアレンジ・デフォルメして

自分の色を出すようになるフットボール

それは

鏡・写真・映像のように正確に対象を映し出し

さらに自分流にアレンジ・デフォルメする

イメージアーティストフットボール

WEリーグ:順位とフットボールの印象
順位チーム勝点試合フットボールの印象
1INAC神戸135強固で司令塔的なDFとスペース大作戦
2マイ仙台136プレーの自由度が高そう、チームのまとまりがカギか?!
3浦和L125パフェ・オーケストラ・フットボール
4東京NB95緑茶ヒーリングBGMフットボール
5大宮V95「横に広く展開」にチャレンジ
6EL埼玉96守備の構築優先。攻撃の色は模索中。
7S広島R76バランス良いフットボール
8N相模原65「狭いエリアで数人の選手がポンポン繋ぐ(ぐるポンフットボール)」にトライ。個人の色が出始める。
9千葉L56縦に速い新幹線アタックから山手線・中央線(総武線)ポゼッションへ修正を模索中、鉄道フットボール
10AC長野35守備の構築優先。攻撃の色は模索中。
11新潟L16守備の構築優先。攻撃の色は模索中。
WEリーグの特色(個人的な印象)

日本人が好みそうな「柔らかいトラップ、丁寧なパス、繊細なドリブル」をする選手が多い(というかほぼ全員のように感じる)ので、狭い局面でのパス&ムーブのリズムが日本人の趣向に合うのではないか。

どのチームも急激に守備能力が上がり圧倒的な力の差を感じなくなった。

キック力が弱いことのプラス面も大きい。それはピッチ外にボールが出ることが少なく試合の流れが切れないことに繋がっている。試合が途切れないのはエンタメとして大きなアドバンテージ。

WEリーグ

個人的なフットボールの見方

フットボールを即興的な芸術作品として印象的に見る

フットボール印象派

例えると絵などの芸術作品は作品が醸し出す雰囲気を楽しみ、漫画などは絵やストーリーの展開を雰囲気で楽しむ感じ。芸術作品の雰囲気を独自の感性で楽しむ印象派

参考にフットボールを作品や芸術として捉えている人たちの言葉を挙げてみる。

作品

Jリーグ野々村チェアマンはフットボールの試合を「作品」と表現

「サッカーは『作品』。質の高いプレー、スタジアムの空気、サポーターの熱量が一体となった、魅力的な作品をたくさんつくることが、僕の挑戦」

芸術・アート

長谷部選手は「全く同じシーンがない芸術・アート」と表現

質問)周りの選手を生かす面白さってどこにありますか

サッカーの醍醐味って一人じゃなくて

周りの選手の兼ね合いというか

動きとか生かす生かされるの中で

そこになんか変な話

芸術じゃないですけどアートじゃないんですけど

なんかそういうのがすごく含まれてる気がして

全く同じシーンがないんですよね

35年ぐらいサッカーやってるんですけど

1回も同じシーンがないのがまた面白いですね