試合エンタメ度

【皇后杯決勝】「自らの土俵」で東京Vベレーザ優勝と「身の丈スタジアム」の必要性

「自らの土俵」で東京Vベレーザ優勝

皇后杯の決勝(1月28日(土))

INAC神戸 vs 東京Vベレーザ

日本女子フットボールを牽引するチーム同士が対決した!

INAC神戸が得意とするのは、全員で相手を追い込みスペースを無くしてボールを奪ったら、全員アタッカーとなって前にスペースがあればどんどんドリブルをし、裏にスペースがあれば走ってフィードを蹴る、というスペースを有効活用するフットボール

一方の東京Vベレーザはリラックスしたドリブルとパス回しで落ち着いたフットボールを得意とする

INAC神戸は、守備時の追い込みはいつも通り鋭いものがあったが、後方から攻撃する際にスペースを消されてドリブルで前進ができず、相手の裏のスペースは警戒されていたのか「裏抜け&フィード」がほとんど見られなかった。

比較的中盤のスペースが空いていたので「真ん中で細かく繋ごう」としていた。

あれ、これって東京Vベレーザの得意分野ですよね。

やっぱり簡単にボールを回収される。

東京Vベレーザは

INAC神戸の得意技を封じ

自らの得意分野に相手を引っ張り出して

自分のリズムで試合を運んでいたのかもしれない。

INAC神戸は、普段は試合の終盤まで全員アタッカー全員ディフェンダーを演じことができるのが、この試合は次第に足が止まっていった感じがした。

東京Vベレーザの方は、お得意の崩しとコーナーキックから「スプライト・ストライカー」のキレのあるゴールで2点を入れた。

そこからリーグ屈指の強固なディフェンダー陣が、疲れからの判断ミス?で2点も入れられるのは、INAC神戸らしくなかった。

それだけ東京Vベレーザの

緑茶ヒーリングBGMフットボールという「土俵」に乗ってしまい

癒しのパワーで反撃の元気を奪われたのかもしれない。

東京VベレーザがWEリーグで首位を走るINAC神戸に圧勝し皇后杯を手に入れた。

「身の丈スタジアム」の必要性

しかし女子フットボールを牽引する2チームが戦う皇后杯決勝で観客数が1,939人というのはあまりにも勿体なさすぎる気がする。

女子フットボール人気が高まりつつある欧米なら万単位になるであろう舞台と対戦カード。

個人的に試合内容は申し分ないと感じるし、何か方法はないのだろうか?

まず思いつくのは時期とスタジアムの大きさ。

時期は寒すぎるし、スタジアムは大きすぎる。

1月29日(日)に今治の里山スタジアムのこけら落としがありましたが、もう少し暖かい時期に「今治里山スタジアム」のような「身の丈に合った収容人数のスタジアム」で開催したかったですね。

この「今治里山スタジアム」の「(収容人数が)身の丈に合った」というコンセプトは今後の日本フットボール界における「キー(盛り上がり)」に繋がると思える。

身の丈に合わないスタジアムだと

身の丈に合わない=寂しいスタジアム=盛り上がりに欠ける

という印象を与えるが

身の丈に合った=観客で埋まるスタジアム=盛り上がりを感じる

ことに繋がり、身の丈に合ったスタジアム(フィールド)が増えることが

日本各地の地元クラブで誰もが好きなスポーツを「する・見る・支える」ことができ(J百年構想)、やがてサッカーファミリー1000万人の力でワールドカップを優勝する(JFAの夢)

という「J百年構想&JFAの夢」の土台になるのではないだろうか。

「身の丈スタジアム(フィールド)」の基本コンセプトは

身の丈 → 成長

観客数(最適化)バージョン → 観客数(更新)アップグレード

流れは

フィールドでプレーしていたら

フィールドの周りを「観客」が取り囲むようになり

フィールドの周りに「席」が用意されると

フィールドの周りに「店」も出店した。

観客が増加=身の丈が成長 →「スタジアム」が拡張

その旗印・目標になる今治里山プロジェクトが旗を掲げて出航した。

地元クラブ(地域・都道府県リーグ)で思いつく「身の丈スタジアム(フィールド)」

チームスタジアム(フィールド)
鎌倉インターナショナルみんなの鳩サブレースタジアム
房総ローヴァーズ木更津ローヴァーズドリームフィールド
コバルトーレ女川女川スタジアム
栃木シティフィールドCITY FOOTBALL STATION

WEリーグで「身の丈スタジアム」だと思えるのは次の2カ所だろうか。

チームスタジアム
日テレ・東京ヴェルディベレーザ味の素フィールド西が丘
サンフレッチェ広島レジーナ広島広域公園第一球技場
サンダーランド女子(イングランド)の「身の丈スタジアム」

先日(1月29日)行われた女子FAカップ4回戦の「サンダーランド vs マンチェスターユナイテッド」のスタジアムと熱気は参考になるかも。

女子2部リーグ8位の「サンダーランド」が1部で首位の「マンチェスターユナイテッド」を迎えた試合。

過去最高の観客数(Highest attendance ever)「1810人」だったそうです。

2月は代表戦
WEリーグ:順位とフットボールの印象
順位チーム勝点試合フットボールの印象
1INAC神戸197全員ディフェンダー全員アタッカーのスペース大作戦
2浦和L187パフェ・オーケストラ・フットボール
3マイ仙台148プレーの自由度が高そう、チームのまとまりがカギか?!
4東京NB137緑茶ヒーリングBGMフットボール
5N相模原107「狭いエリアで数人の選手がポンポン繋ぐ(ぐるポンフットボール)」にトライ。個人の色が出始める。
6大宮V107「横に広く展開」にチャレンジ
7EL埼玉97守備「鏡ディフェンス」の構築優先。攻撃の色は模索中。
8S広島R87バランス良いフットボール
9千葉L57縦に速い新幹線アタックから山手線・中央線(総武線)ポゼッションへ修正を模索中、鉄道フットボール
10AC長野47鏡フットボールを習得しつつある?!
11新潟L17守備の構築優先。攻撃の色は模索中。
WEリーグの特色(個人的な印象)

日本人が好みそうな「柔らかいトラップ、丁寧なパス、繊細なドリブル」をする選手が多い(というかほぼ全員のように感じる)ので、狭い局面でのパス&ムーブのリズムが日本人の趣向に合うのではないか。

どのチームも急激に守備能力が上がり圧倒的な力の差を感じなくなった。

キック力が弱いことのプラス面も大きい。それはピッチ外にボールが出ることが少なく試合の流れが切れないことに繋がっている。試合が途切れないのはエンタメとして大きなアドバンテージ。

そこで気になるのは試合が途切れず交代選手がなかなかピッチに入れない場面。監督は交代のタイミングが難しいそう。

WEリーグ

個人的なフットボールの見方

フットボールを即興的な芸術作品として印象的に見る

フットボール印象派

例えると絵の場合は作品が醸し出す雰囲気を楽しみ、漫画は絵やストーリーの展開を雰囲気で楽しむ感じ。芸術作品の雰囲気を独自の感性で楽しむ印象派

参考にフットボールを作品や芸術として捉えている人たちの言葉を挙げてみる。

作品

Jリーグ野々村チェアマンはフットボールの試合を「作品」と表現

「サッカーは『作品』。質の高いプレー、スタジアムの空気、サポーターの熱量が一体となった、魅力的な作品をたくさんつくることが、僕の挑戦」

芸術・アート

長谷部選手は「全く同じシーンがない芸術・アート」と表現

質問)周りの選手を生かす面白さってどこにありますか

サッカーの醍醐味って一人じゃなくて

周りの選手の兼ね合いというか

動きとか生かす生かされるの中で

そこになんか変な話

芸術じゃないですけどアートじゃないんですけど

なんかそういうのがすごく含まれてる気がして

全く同じシーンがないんですよね

35年ぐらいサッカーやってるんですけど

1回も同じシーンがないのがまた面白いですね