地域フットボール

JFL・地域リーグの改革は待ったなしか?

JFL・地域リーグの改革は待ったなしか?

理由

  1. J3昇格要件の観客動員数問題
  2. JFL昇格をかけた過酷なスケジュールの大会

1)J3昇格要件の観客動員数問題

J3昇格要件である「1試合平均2000人以上の観客動員数」が話題になっている。

本田圭佑氏が必要ないのではとツイッターでつぶやき大阪府知事も反応したが、渦中のFC大阪は観客要件をほぼほぼクリアしそうです。

ただしFC大阪も、既に要件を満たした奈良クラブも「カズ効果」が無ければ要件クリアはあり得なかった可能性が高い。

この問題の解決策(無くすのか、継続した場合はどうするのか)は色々考えられると思いますが、観客要件を継続する場合に課題となるのは「クラブ任せ」である現状でしょう。

JFL自体が「フットボール愛好型チーム(プレーする喜び)」対象のリーグであるため、「人に見せる」や「人を集める」ことに関心が薄いように映る。

一方Jリーグも観客要件を定めていながら「クラブ任せ」な感じが否めない。

クラブ単体の努力だけで観客要件を満たすのは至難の業。

そこでJリーグとJFAとクラブが協力して「見せるリーグ」に改革することによって観客要件の問題を解決に持っていく形になるのではないか。

2)JFL昇格をかけた過酷なスケジュール

今日まさにJFL昇格をかけた過酷なスケジュールの大会「地域CL」が始まった。

地域リーグのチーム数(84)に対してJFLに昇格するチーム数(2)の割合が少なすぎるため、世界でまれに見る過酷なスケジュールの大会になっている。

この健康問題に発展しFIFAなどから指摘?されかねない過酷なスケジュールの大会を無くすためにもJFL・地域リーグの構造改革は行われるはずである。

JFL・地域リーグを無理の少ない昇降格制度に改革し、Jリーグ参入を目指して地域に根差す活動をしているクラブが中心のリーグになるのではないか。

JFAの夢とJリーグの応援活動

JFAは先日公式アプリ「JFA Passport」を公開した。

「2050年までにサッカーファミリーを1000万人にし、FIFA ワールドカップで優勝する」

という夢に向けた施策の一つだと思う。

また、Jリーグでは各県のサッカー応援番組を展開

さらにJFAとJリーグが協力して「JFL・地域リーグ」を「地域密着型の見せるリーグ」にすればツールや応援番組とのシナジーも予想され、フットボールファミリーは着実に増え、都道府県のフットボールも一層盛り上がることが期待できる。

これまで考えてきた「JFL・地域リーグ改革予想案」も少しブラッシュアップ!

日本・ドイツ・スペインのリーグ構造

リーグ日本ドイツスペイン
全国J1ブンデスリーガラ・リーガ
J22. ブンデスリーガ22
(ラ・リーガ 2)
J320
(3. リーガ)
16
(JFL)
2地域CL44
地域グループ84
(9地域:1部)
93
(5地域)
40
(2グループ)
10
90
(5グループ)
16~1727
59
(6地域:2部)
224
(14地域)
288
(18グループ≒州)
27
地元都道府県
カテゴリー(総計)1310
リーグ(総計)2,235
チーム(総計)31,645 

全国⇔地域地域CL)」の特徴

日本は昇降格の割合が低い

懸案事項

全国(JFL)へ昇格するために過酷なスケジュールの大会(全社&地域CL)が開催される。

  • FIFAなどから健康上の問題を指摘されないのか?
  • 5日連続(全社)や3日連続(地域CL)は自己責任なのか?
  • ドイツ・スペインなどで5日連続・3日連続はあり得るのか?

※全社:社会人サッカークラブの頂点をトーナメントで決める全国大会。上位に入賞すると地域CLへの出場権が得られる可能性がある。

(参考)「冬の高校サッカー」も驚く社会人による「5日連続」のトーナメント「全社」

リーグ構造改革&スケジュール【予想案】

タイミング

J3からJFLへの降格が始まる前後

理由

地域リーグと全国リーグを繋ぐ「昇降格」の割合を適切にしたい。

健康を考慮して超過密日程の大会(全社&地域CL)を無くしたい。

J3からJFLへ降格したチームに配慮してリーグ構造改革期(2年)のみJFLからの降格を無くすように計画できる。

JFAとJリーグが協力してJ3昇格要件である「1試合平均2000人以上の観客動員数」がクリアできる「見せるリーグ(現在はJFL)」作りたい

リーグの構造【予想案】

まず、日本のフットボールリーグの構造を大まかに3層に分ける。

  1. Jリーグ
  2. JMT・CL(現JFLと地域リーグ)
  3. JMTリーグ(都道府県・市町村リーグ)

※JMTリーグ:Jimoto(地元)リーグの略称

次に、地元とJリーグを繋ぐJMT・CLを3層に分ける。

  1. JMT・CL全国
  2. JMT・CL東西
  3. JMT・CL地域

JMT・CLのチーム数と昇降格数を下の表のようにする。

リーグカテゴリーチーム数
JリーグJ120
J220
J320
⇅4
JMT・CLJMT・CL全国3216×2
⇅6
JMT・CL東西64東西日本(各16×2)
⇅12
JMT・CL地域1509地域(地域ごとに10~20チーム)
JMTリーグ都道府県
市町村
リーグ構造の特徴

CLの「C」を「チャンピオンズ(Champions)」の「C」にした場合

  1. Jimoto(地元)リーグで地元感を出す
  2. JMT・CLで地元チームのチャンピオンズリーグ感を出す
  3. JMT・CLのチャンピオンズリーグ化でJリーグのプレミア感を出す

CLの「C」を「コネクト(connect)」の「C」にした場合

  • 地元との密着度を深めるコネクト
  • JリーグとJMTリーグをコネクト
リーグ一言で特徴
Jリーグプレミア(Premier) 
JMT・CLコネクト(connect)
JMTリーグベース(base)

※リーグ名が「JCL」ではだめなのか?

すでに日本プロサイクルロードリーグである「JCL(ジャパンサイクルリーグ: Japan Cycle League)」が存在している。

運営主体と目標

参加チームを大きく2つに分けて考えてみる。

  • 観客に見てもらいたい「地域密着型クラブ(見せる誇り)」
  • プレーしたい「フットボール愛好型チーム(プレーする喜び)」

JMT・CLは両方のチームが参入可能だが、できれば「地域密着型クラブ(見せる誇り)」が多くなることを理想とする。

Jリーグは「地域密着型クラブ(見せる誇り)」の育成に協力し、JFAは「フットボール愛好型チーム(プレーする喜び)」の環境を整備する。

リーグ運営主体運営目標
JリーグJリーグ地域密着型クラブ(見せる誇り)の発展
JMT・CLJリーグ&JFAJリーグとJFAが組むことによって地域密着型クラブ(見せる誇り)を増やし育てる
JMTリーグJFAフットボール愛好型チーム(プレーする喜び)という日本フットボールの源流を豊かにする環境を整えるとともに、地域密着型クラブ(見せる誇り)が生まれる土壌も整備する

目標

  1. JMTリーグ(地元リーグ)を活性化させ地域密着型クラブ(見せる誇り)を生み出す
  2. JMT・CLを地域密着型クラブ(見せる誇り)の多い魅せるリーグに育てる

JMT・CL(現在のJFL・地域リーグ)

J3昇格要件の1試合平均観客数2000人以上が問題なくクリアできるようなリーグにする。

今は地域密着型クラブ(見せる誇り)だけが頑張っている構造だが、JFA(JFL・地域リーグ)並びにJリーグが地域密着型クラブ(見せる誇り)と協力体制を整える。

そのためにJリーグ入りを希望する地域密着型クラブ(見せる誇り)が大半を占めるリーグにする。

必要な施策

  • リーグのブランド化
  • 観客を集める方法の共有化
  • リーグ構造(チーム数と昇降格数)を適切にする
リーグ構造を地元飯&特産品に例えた位置づけ
リーググルメ産品
Jリーグご当地グルメのプレミアチャンピオン大会プレミア特産品
JMT・CLご当地グルメのチャンピオン大会特産品
JMTリーグ地元飯のグランプリ地元の産品

流れ

  1. 地元の食文化が豊かになって(地元リーグ)
  2. ご当地グルメ・特産品が生まれ(JMTチャンピオンズリーグ)
  3. 全国区のご当地グルメ・プレミア特産品に育つ(Jリーグ)
リーグに対する心理的(物理的)距離の逆転
  • 現在:Jリーグ→都道府県リーグ(Jリーグのみ、他は関心薄い)
  • 将来:地元リーグ→Jリーグ(地元が身近でJリーグがプレミア化)
リーグ現在将来
Jリーグ
JMT・CL
JMTリーグ

この心理的距離の逆転によってJリーグのプレミア化が期待できる。

プレミア化とは:地元リーグのクラブにもJリーグへの道筋が明確に見えて手の届く感じがありながら、あこがれの夢のリーグ

スケジュール【予想案】

リーグカテゴリー1年目2年目3年目4年目
J3チーム数20202020
⇅2⇅2⇅3⇅4
JFL→JMT・CL全国チーム数16242832
グループ16×112×214×216×2
↑8↓0↑4↓0↑4↓0⇅6
地域(1部)→JMT・CL東西チーム数84485664
グループ9地域東12×2
西12×2
東14×2
西14×2
東16×2
西16×2
↑12↓0↑12↓0⇅12
地域(2部)→JMT・CL地域グループ6地域9地域9地域9地域
J3⇔JFL
入替開始
JFLを2グループ
地域1部を東西制
全国(JFL)→ JMT・CL全国

 J3からJFLへの入れ替えが開始した次のシーズンから2グループに分け3年かけてチーム数を増やす。最初の2年間は地域リーグへの降格は実施しない。

2グループにする方法

基本は前年度の順位を勘案して一定の順位グループを作り抽選する。

昇降格

J3への昇格(2~4チーム)

  • グループ1位(又は2位まで)×2グループ:2~4チーム

JMT・CL東西への降格(6チーム)

  • グループ下位の3チーム×2グループ:6チーム
地域(1部)→ JMT・CL東西

 J3からJFLへの入れ替えが開始した次のシーズンから東西各2グループに分け2年かけてチーム数を増やす。最初の2年間は地域2部リーグへの降格は実施しない。

最初の48チームの決め方

ホームタウン活動を行いJFL昇格を希望するチームを次の順番で募る。

  1. 地域リーグ:1部→2部の順
  2. 地域リーグでそろわない場合:都道府県リーグ

東西の分け方

都道府県コード順に並べて半分にする。

東部または西部の内部で2グループにする方法

基本は前年度の順位を勘案して一定の順位グループを作り抽選する。

昇降格

JMT・CL全国へ昇格(6チーム)

  • グループ1位:4チーム
  • グループ2位:2チーム(プレーオフ)

JMT・CL地域へ降格(12チーム)

  • グループ下位の3チーム×4グループ:12チーム
地域(2部→ JMT・CL地域

 地域を6個の地域グループに分けて、その地域グループから各2チーム(合計12チーム)がJMT・CL東西に昇格する。

 リーグ自体は9地域で実施するのか、最初から6地域にまとめてしまうのか、色々考えられる。

地域グループ地域1部へ昇格
北海道・東北2チーム
関東2チーム
東海・北信越2チーム
関西2チーム
中国・四国2チーム
九州2チーム

参考

ベルギーリーグの構造とカップ戦

リーググループチーム数カップ
参加
プロリーグFirst Division A
(Jupiler Pro League)
11グループ186回戦
First Division B
(Challenger Pro League)
21グループ125回戦
全国・地域リーグNational Division 131グループ203回戦
Division 2416~18の
3グループ
532回戦
Division 3516の
4グループ
641回戦
地元リーグ
Provincial Leagues
1部69地域
10グループ
1グループ
約16チーム
1回戦
予選
2部79地域
23グループ
3部89地域
35グループ
4部98地域
52グループ
ベルギー人口1160万人※東京都:1400万人
面積30,528km2※関東:32,423km2

※カップ参加:各ディビジョン(Division)のチームがカップ戦に参加するラウンド

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