地域フットボール

FC大阪の観客動員とJFL・地域リーグの改革を予想してみる

今週の日曜日(11/20)は、JFL最終節!

FC大阪はJ3昇格するために3,732人を集める必要があり、ありったけの呼び込みをかけている。

東大阪市花園ラグビー場の収容人数は26,544人らしいので天候に恵まれれば過去最高を記録する可能性もある?

歴代最多入場者数:16,218人

10月9日:クリアソン新宿×鈴鹿ポイントゲッターズ

参考:JFL&Bリーグ歴代最多入場者数

対戦相手は最下位のMIOびわ湖滋賀。

MIOびわ湖滋賀には地域リーグ降格の可能性が残っているが、「FC大阪がJ3昇格」すると「最下位のMIOびわ湖滋賀はJFLに残留」できる。

なぜ「FC大阪がJ3昇格」すると「最下位のMIOびわ湖滋賀がJFLに残留」できるのか?

JFLは16チームで構成され、しかもJ3からJFLへ降格してくるチームがないので、仮に2チームがJ3に昇格する場合は、地域リーグへの降格は0になる

※地域リーグからJFLへの昇格は2チーム(今シーズン予想)
JFL構成昇格・残留・降格チーム数
16チームJ3昇格(JFLへの降格は無し0⇅01⇅020
JFL残留141414
地域リーグとの入替2⇅22⇅12⇅0

このことから「最下位チーム」が、「J3に昇格するチャンスのあるチーム」負けて、J3昇格が2チームとなり「最下位チームが残留」するケースが発生する可能性がある。

つまり「負けると残留できる」という特殊な試合があり得る。

ただし今回は「3,732人集まるかどうか」が問われている。

「FC大阪のJ3昇格」と「MIOびわ湖滋賀のJFL残留」に勝敗が関係ないことは幸いだったのかもしれない。

J3リーグ参入条件
  1. 順位(4位以内&百年構想クラブの内上位2クラブ)
  2. 平均入場者数2,000人超(合計3万人超)
順位チーム勝点得失観客動員必要人数
1奈良クラブ58+2336,836達成
2FC大阪58+1326,2683,732
3Honda FC56+258,312
4FCマルヤス岡崎49+156,413
5ラインメール青森48+109,774
6東京武蔵野ユナイテッドFC45+1510,581
7ヴィアティン三重42+1324,584
8ヴェルスパ大分42−418,290
9鈴鹿ポイントゲッターズ41−634,682
10ホンダロックSC36+32,799
11高知ユナイテッドSC34−712,659
12FC神楽しまね31−136,155
13FCティアモ枚方29−137,766
14ソニー仙台FC27−164,197
15クリアソン新宿23−2225,856
16MIOびわこ滋賀20−367,755
JFL残りの対戦カード:優勝争い
順位チーム勝点得失30節
11/20
1奈良58+23ソニー
(13時)
2FC大阪58+13滋賀
(13時)
3Honda56+25武蔵野
(13時)
  • :ホーム試合
  • FC大阪:J3参入の成績要件はクリア。残すは観客動員
  • ※参考:JFL公式HP

勝敗は関係なく観客要件のみが問われる試合になったことはJリーグやJFAにとってもラッキーだったと思われる。

「負けると残留できる」という特殊な試合が発生しないように、おそらく来シーズンからJ3からJFLへの降格も始まるはず。

またJFAの夢である

「2050年までにサッカーファミリーを1000万人にし、FIFA ワールドカップで優勝する」

を達成するためにも、J3リーグとJFLの入替開始を機会に、JFL・地域リーグを観客動員指向の「見せるリーグ」への構造改革が予想される。

その「JFL・地域リーグ改革予想案」の以下の項目をブラッシュアップ!

  • イングランドを参考にした観客数の目標
  • リーグ構造のイメージから観客数の目標

日本・ドイツ・スペインのリーグ構造

リーグ日本ドイツスペイン
全国J1ブンデスリーガラ・リーガ
J22. ブンデスリーガ22
(ラ・リーガ 2)
J320
(3. リーガ)
16
(JFL)
2地域CL44
地域グループ84
(9地域:1部)
93
(5地域)
40
(2グループ)
10
90
(5グループ)
16~1727
59
(6地域:2部)
224
(14地域)
288
(18グループ≒州)
27
地元都道府県
カテゴリー(総計)1310
リーグ(総計)2,235
チーム(総計)31,645 

全国⇔地域地域CL)」の特徴

日本は昇降格の割合が低い

懸案事項

全国(JFL)へ昇格するために過酷なスケジュールの大会(全社&地域CL)が開催される。

  • FIFAなどから健康上の問題を指摘されないのか?
  • 5日連続(全社)や3日連続(地域CL)は自己責任なのか?
  • ドイツ・スペインなどで5日連続・3日連続はあり得るのか?

※全社:社会人サッカークラブの頂点をトーナメントで決める全国大会。上位に入賞すると地域CLへの出場権が得られる可能性がある。

(参考)「冬の高校サッカー」も驚く社会人による「5日連続」のトーナメント「全社」

リーグ構造改革&スケジュール【予想案】

タイミング

J3からJFLへの降格が始まる前後

理由

地域リーグと全国リーグを繋ぐ「昇降格」の割合を適切にしたい。

健康を考慮して超過密日程の大会(全社&地域CL)を無くしたい。

J3からJFLへ降格したチームに配慮してリーグ構造改革期(2年)のみJFLからの降格を無くすように計画できる。

JFAとJリーグが協力してJ3昇格要件である「1試合平均2000人以上の観客動員数」がクリアできる「見せるリーグ(現在はJFL)」作りたい

リーグの構造【予想案】

まず、日本のフットボールリーグの構造を大まかに3層に分ける。

  1. Jリーグ
  2. JMT・CL(現JFLと地域リーグ)
  3. JMTリーグ(都道府県・市町村リーグ)

※JMTリーグ:Jimoto(地元)リーグの略称

次に、地元とJリーグを繋ぐJMT・CLを3層に分ける。

  1. JMT・CL全国
  2. JMT・CL東西
  3. JMT・CL地域

JMT・CLのチーム数と昇降格数を下の表のようにする。

リーグカテゴリーチーム数
JリーグJ120
J220
J320
⇅4
JMT・CLJMT・CL全国3216×2
⇅6
JMT・CL東西64東西日本(各16×2)
⇅12
JMT・CL地域1509地域(地域ごとに10~20チーム)
JMTリーグ都道府県
市町村
リーグ構造の特徴

CLの「C」を「チャンピオンズ(Champions)」の「C」にした場合

  1. Jimoto(地元)リーグで地元感を出す
  2. JMT・CLで地元チームのチャンピオンズリーグ感を出す
  3. JMT・CLのチャンピオンズリーグ化でJリーグのプレミア感を出す

CLの「C」を「コネクト(connect)」の「C」にした場合

  • 地元との密着度を深めるコネクト
  • JリーグとJMTリーグをコネクト
リーグ一言で特徴
Jリーグプレミア(Premier) 
JMT・CLコネクト(Connect)
JMTリーグベース(Base)

※リーグ名が「JCL」ではだめなのか?

すでに日本プロサイクルロードリーグである「JCL(ジャパンサイクルリーグ: Japan Cycle League)」が存在している。

運営主体と目標

参加チームを大きく2つに分けて考えてみる。

  • 観客に見てもらいたい「地域密着型クラブ(見せる誇り)」
  • プレーしたい「フットボール愛好型チーム(プレーする喜び)」

JMT・CLは両方のチームが参入可能だが、できれば「地域密着型クラブ(見せる誇り)」が多くなることを理想とする。

Jリーグは「地域密着型クラブ(見せる誇り)」の育成に協力し、JFAは「フットボール愛好型チーム(プレーする喜び)」の環境を整備する。

リーグ運営主体運営目標
JリーグJリーグ地域密着型クラブ(見せる誇り)の発展
JMT・CLJリーグ&JFAJリーグとJFAが組むことによって地域密着型クラブ(見せる誇り)を増やし育てる
JMTリーグJFAフットボール愛好型チーム(プレーする喜び)という日本フットボールの源流を豊かにする環境を整えるとともに、地域密着型クラブ(見せる誇り)が生まれる土壌も整備する

目標

  1. JMTリーグ(地元リーグ)を活性化させ地域密着型クラブ(見せる誇り)を生み出す
  2. JMT・CLを地域密着型クラブ(見せる誇り)の多い魅せるリーグに育てる

JMT・CL(現在のJFL・地域リーグ)

J3昇格要件の1試合平均観客数2000人以上が問題なくクリアできるようなリーグにする。

今は地域密着型クラブ(見せる誇り)だけが頑張っている構造だが、JFA(JFL・地域リーグ)並びにJリーグが地域密着型クラブ(見せる誇り)と協力体制を整える。

そのためにJリーグ入りを希望する地域密着型クラブ(見せる誇り)が大半を占めるリーグにする。

必要な施策

  • リーグのブランド化
  • 観客を集める方法の共有化
  • リーグ構造(チーム数と昇降格数)を適切にする
リーグ構造を地元飯&特産品に例えた位置づけ
リーググルメ産品
Jリーグご当地グルメのプレミアチャンピオン大会プレミア特産品
JMT・CLご当地グルメのチャンピオン大会特産品
JMTリーグ地元飯のグランプリ地元の産品

流れ

  1. 地元の食文化が豊かになって(地元リーグ)
  2. ご当地グルメ・特産品が生まれ(JMTチャンピオンズリーグ)
  3. 全国区のご当地グルメ・プレミア特産品に育つ(Jリーグ)
リーグに対する心理的(物理的)距離の逆転
  • 現在:Jリーグ→都道府県リーグ(Jリーグのみ、他は関心薄い)
  • 将来:地元リーグ→Jリーグ(地元が身近でJリーグがプレミア化)
リーグ現在将来
Jリーグ
JMT・CL
JMTリーグ

この心理的距離の逆転によってJリーグのプレミア化が期待できる。

プレミア化とは:地元リーグのクラブにもJリーグへの道筋が明確に見えて手の届く感じがありながら、あこがれの夢のリーグ

イングランドを参考にした観客数の目標

イングランド日本
リーグチーム数観客数
(実績)
リーグチーム数観客数
目標
全国Premier League2040,000
Championship2420,000J12020,000
League One2410,000J22010,000
League Two245,000J3205,000
National League
全国
243,000JMT・CL全国
2グループ
323,000
地域南北
2グループ
481,000JMT・CL東西
4グループ
641,000
南北
4グループ
88JMT・CL地域
9グループ
150
南北
8グループ
160
地元州グループ
16グループ
320都道府県1部
州グループ
17グループ
335都道府県2部
792都道府県3部

※観客数

  • 1試合平均観客数
  • イングランド→実績
  • 日本→目標

リーグ構造のイメージから観客数の目標

イングランドは少ないチーム数(1グループ)の上層階級が多い。階級(カテゴリー)も多くビック・ベン(エリザベス・タワー)のような縦長の型をした階級社会のイメージ。そして一番上には世界の投資資金が集まる金融街シティーのようなプレミアリーグがある。

日本はまだ発展段階であり将来フットボールリーグが文化になると仮定すれば、幅広い中間層社会を反映し、なおかつすそ野が広い富士山型のイメージになるのではないか。

JMTリーグ(地元リーグ:都道府県リーグ)がすそ野で、JMT・CLが5合目から8合目(中間層)、Jリーグが8合目から頂上に当たる。

そこで中間層社会&富士山型リーグ構造から観客数の目標を考えてみる。

イングランドは金融街シティーのように世界中から投資資金が集まるプレミアリーグが観客も集めるが、日本では中間層が日本社会を支えるようにJリーグと地元リーグ(都道府県リーグ)の中間リーグであるJMT・CL(全国・東西・地域)がイングランドを凌ぐ形になるかもしれない。

日本
リーグチーム数観客数
目標
イングランドを
参考にした場合
中間層社会&
富士山型リーグ
全国J12020,00020,000
J22010,00015,000
J3205,00010,000
JMT・CL全国
2グループ
323,0007,000
地域JMT・CL東西
4グループ
641,0005,000
JMT・CL地域
9グループ
1503,000
地元都道府県1部
都道府県2部
都道府県3部

スケジュール【予想案】

リーグカテゴリー1年目2年目3年目4年目
J3チーム数20202020
⇅2⇅2⇅3⇅4
JMT・CL全国(現JFL)チーム数16242832
グループ16×112×214×216×2
↑8↓0↑4↓0↑4↓0⇅6
JMT・CL東西(現地域1部)チーム数84485664
グループ9地域東12×2
西12×2
東14×2
西14×2
東16×2
西16×2
↑12↓0↑12↓0⇅12
JMT・CL地域(現地域2部)グループ6地域9地域9地域9地域
J3⇔JFL
入替開始
JFLを2グループ
地域1部を東西制
JMT・CL全国(現JFL)

 J3からJFLへの入れ替えが開始した次のシーズンから2グループに分け3年かけてチーム数を増やす。最初の2年間は地域リーグへの降格は実施しない。

2グループにする方法

基本は前年度の順位を勘案して一定の順位グループを作り抽選する。

昇降格

J3への昇格(2~4チーム)

  • グループ1位(又は2位まで)×2グループ:2~4チーム

JMT・CL東西への降格(6チーム)

  • グループ下位の3チーム×2グループ:6チーム
JMT・CL東西(現地域1部)

 J3からJFLへの入れ替えが開始した次のシーズンから東西各2グループに分け2年かけてチーム数を増やす。最初の2年間は地域2部リーグへの降格は実施しない。

最初の48チームの決め方

ホームタウン活動を行いJFL昇格を希望するチームを次の順番で募る。

  1. 地域リーグ:1部→2部の順
  2. 地域リーグでそろわない場合:都道府県リーグ

東西の分け方

都道府県コード順に並べて半分にする。

東部または西部の内部で2グループにする方法

基本は前年度の順位を勘案して一定の順位グループを作り抽選する。

昇降格

JMT・CL全国へ昇格(6チーム)

  • グループ1位:4チーム
  • グループ2位:2チーム(プレーオフ)

JMT・CL地域へ降格(12チーム)

  • グループ下位の3チーム×4グループ:12チーム
JMT・CL地域(現地域2部)

 地域を6個の地域グループに分けて、その地域グループから各2チーム(合計12チーム)がJMT・CL東西に昇格する。

 リーグ自体は9地域で実施するのか、最初から6地域にまとめてしまうのか、色々考えられる。

地域グループ地域1部へ昇格
北海道・東北2チーム
関東2チーム
東海・北信越2チーム
関西2チーム
中国・四国2チーム
九州2チーム

参考

ベルギーリーグの構造とカップ戦

リーググループチーム数カップ
参加
プロリーグFirst Division A
(Jupiler Pro League)
11グループ186回戦
First Division B
(Challenger Pro League)
21グループ125回戦
全国・地域リーグNational Division 131グループ203回戦
Division 2416~18の
3グループ
532回戦
Division 3516の
4グループ
641回戦
地元リーグ
Provincial Leagues
1部69地域
10グループ
1グループ
約16チーム
1回戦
予選
2部79地域
23グループ
3部89地域
35グループ
4部98地域
52グループ
ベルギー人口1160万人※東京都:1400万人
面積30,528km2※関東:32,423km2

※カップ参加:各ディビジョン(Division)のチームがカップ戦に参加するラウンド

11月9日 サークル・ブルッヘの上田綺世選手、コースを狙った「これぞストライカー」ゴール  11月9日に行われたベルギーカップ(Croky Cup)の6回戦で、サークル・ブルッヘの上田綺世選手が後半開始から交代出場してわずか...